町の商店を繋ぐ小さな家具の設置〜「仲町通りゃんせ」

学生プロジェクトデザインコンペティション 「審査員賞」 を受賞しました  

愛知建築士会 学生コンペ2023 「優秀賞」に選出されました 

半田市亀崎町は潮干祭りで有名な、古い街路や家並の残る地域です。そのメインストリートである仲町通りには、昔ながらの店と新しい店が点在しますが、3年生メンバーがそれらの商店に呼びかけて、共通のデザインモチーフをもつ特徴ある制作物を設置しました。
制作を発案するにあたり、学生達はまず地域のリサーチからはじめました。亀崎町の特徴的な要素を探してまわり、デザインモチーフとして亀崎町独自の民家の壁に地蔵祠を設ける文化「鬼門地蔵」を選定しました。加えて住民の方々と様々な対話を行い、その結果、仲町通り沿いの7店舗から賛同を得て本企画の実施に至りました。

本企画が期待している展開は、下記のような内容です。
店に立ち寄ったお客さんが、普通とは違うベンチや看板に「おや?これは何だろう。」と気づき店主との話題となる、それをきっかけに通りにおける店舗が共通で醸し出す連帯感に気づく、加えて町のあちらこちらに点在する「鬼門地蔵」の文化についても知ることとなる。
制作物は黒板壁の古い家並みの風景を意識したものとし、景観として通りの一体感を生むものを心がけました。

看板や傘立てやベンチなどは町の中に置かれる小さくて何気ないものですが、それらが無造作に設置されることなく、街並みと調和することで、徐々にさりげなく風景が整えられていくことを目指しました。

設置のお披露目会は「亀崎町おこしの会」が運営する活動拠点「街かどサロンかめとも」で開かれ、賛同した7店舗の店主や地元の方々と学生が集い、学生よりデザインや製作の意図などを説明しました。学生達は「日常的に使っていただくことで、活気あふれる通りになることを願っています」と語り、自分たちの思いを町に託しました。

「フラワーショップ錦花園」のフラワースタンドの前で

「高原時計店」の傘立ての前で

作品には、鬼門地蔵の格子や屋根型のモチーフがさりげなく取り入れられている