AlGaN分極ドーピングシミュレータ

AlGaN 分極・組成傾斜コンタクト設計ツール v6

AlGaN 分極・組成傾斜コンタクト設計ツール v6

パラメータ値

圧電分極は e31, e33, C13, C33 と格子定数 a から計算します。c格子定数も表示し、面外歪みから strained-c を計算しています。

計算全体の流れ

  1. Al組成プロファイルの作成
    開始組成 xstart と終了組成 xend から、傾斜層内の Al 組成 x(z) を線形補間します。
  2. 材料物性値の補間
    x(z) に対して Vegard 則を用い、a(x), c(x), e31(x), e33(x), C13(x), C33(x), Psp(x), Eg(x), χ(x), NC(x), NV(x) を求めます。 Eg には bowing parameter を含めます。
  3. 基準格子と歪みの計算
    基準格子 Al 組成 xref から aref を求め、 緩和率 R を用いて面内歪みを
    εxx = (1−R)[aref−a(x)] / a(x)
    と計算します。面外歪みは
    εzz = −2(C13/C33)εxx
    です。R=0 は完全 coherent、R=1 は完全緩和を表します。
  4. 自発分極の計算
    GaN と AlN の自発分極を組成補間し、 Psp(z) を求めます。
  5. 圧電分極の計算
    圧電定数と歪みから
    Ppz = 2e31εxx + e33εzz
    を計算します。「圧電分極を含める」をOFFにした場合は Ppz=0 とします。
  6. 全分極と分極ドーピング濃度
    Ptotal = Psp + Ppz
    とし、
    ρpol = −dPtotal/dz
    Npol = ρpol/q
    から、組成傾斜による符号付き分極等価ドーピング濃度を求めます。
  7. ドナー・アクセプターの導入
    入力したドナー濃度 ND、アクセプター濃度 NA と活性化率から、 ND+、NA− を求めます。 局所電荷中性条件は
    n − p = ND+ + Npol − NA−
    です。
  8. 電子濃度 n と正孔濃度 p の計算
    局所電荷中性条件と
    np = ni2
    を連立して、n(z) と p(z) をともに正の値として計算します。 符号付き実効キャリア濃度
    nsigned = n − p
    を用い、nsigned>0 を n型、 nsigned<0 を p型と判定します。
  9. バンドプロファイルの計算
    非縮退近似で
    EC−EF = kT ln(NC/n)
    EF−EV = kT ln(NV/p)
    を用いて EC, EV を求めます。 平衡状態では EF=0 eV を基準として水平に表示します。
  10. 金属接触障壁の概算
    金属仕事関数 ΦM と電子親和力 χ(x) から、 Schottky-Mott 近似
    ΦBn = ΦM − χ
    により局所障壁高さを概算します。
  11. シリーズ計算とCSV出力
    終了Al組成、基準格子組成、傾斜厚さ、ND、NA、緩和率などを掃引できます。 CSVには計算条件、モデル物性値、格子定数、歪み、 Psp, Ppz, Ptotal, Npol, n, p, n−p, EC, EV を保存します。

モデル上の注意

現在のモデルは、c面 AlGaN、線形組成傾斜、Vegard則、局所電荷中性、 非縮退 Boltzmann 統計を用いた設計探索モデルです。 高濃度縮退領域では Fermi–Dirac 統計、空乏層や界面近傍のバンド曲がりには 自己無撞着 Poisson 計算が必要です。 また、実際の金属/AlGaN接触では Fermi-level pinning、MIGS、TFE/FE、 DX-like state、欠陥・界面反応なども接触抵抗に影響します。