透明導電膜

透明導電膜とは、透明でありながら(可視光の透過率が高い)、電気が流れる(抵抗率が低い)電極であり、スマートフォン等のタッチパネルや、各種ディスプレイ、LEDや太陽電池の電極材料として用いられています。代表的な透明導電体材料として酸化インジウムがありますが、母材となるインジウムはレアメタルであり代替材料の開発が急務となっています。 また、金属などの硬い材料だけでなく、プラスチック基板のような柔らかい材料上に電極作製する技術の開発も求められています。

本研究室では、大面積に成膜が可能なスパッタリング法を用いて、枯渇しない新材料による透明電極の開発を行っています。 また、分光法や質量分析手法を駆使してスパッタリングプラズマを解析することによって、電極作製プロセスを高精度に制御する手法の開発も行っています。

現在は、HPPMSなどの各種スパッタリング法を用いて、アナターゼ型TiO2 薄膜の成膜を行っています。太陽電池等への応用を目指しています。

ガラス基板上に、透明かつ電気が流れる透明導電膜が成膜されており、LEDが光っています。

1. インジウムを用いない新規チタン系酸化膜透明電極

HPPMS(基板昇温・アニールなし) を用いて 、透過率80%以上のアナターゼ型TiO2膜がえられています。

2. Indium Zinc Oxide (IZO)透明電極の製膜と、RFスパッタリング中のIn原子とZn原子数密度の同時モニタリング

IZO膜の光透過率

(JJAP 51, 116202 (2012))

開発したIn及びZn原子を同時測定するための吸収分光用光源

(特許4974135, 5305411号, APL 90, 251502 (2007), 電学論A 130, 972 (2010))

IZO-RFスパッタプラズマ中に存在するIn及びZn原子の数密度

(JJAP 51, 116202 (2012))

IZO膜中とスパッタプラズマ中のIn/Znの密度比の相関

(JJAP 51, 116202 (2012))

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